ご挨拶

  今から20年前、ちょうど私たち大学生が生まれた頃のことです。宇宙の彼方から地球に
あるメッセージが届きました。それは16万光年も離れた超新星から、想像も出来ないほど
の時間と空間を経てやって来た、ニュートリノと呼ばれる粒子でした。このニュートリノ
を神岡の町でしっかりと受け止めたのは、後に日本中の誰もが知ることとなるカミオカン
デでした。この実験をされた小柴昌俊先生はその後もニュートリノの研究を続けられ、15
年後の2002年にノーベル物理学賞を受賞されました。今からちょうど5年前のことです。こ
のように書くと、ニュートリノは非常に特別な存在のように思われます。ところが実は私
たちが普段それを感じないだけで、ニュートリノは身の回りにもたくさん存在しています。
自然には私たちが気づかないような姿でたくさんの驚きが隠されています。なんだかわく
わくしてきませんか。

 私たちが通う理学部の建物の1階には、現在、先生のノーベル賞と実験装置の一部が展
示されています。「自然を理解する」これは私たち物理学科の学生が物理を学ぶ上での共
通の動機であり目標でもありますが、ガラスケースに収められたノーベル賞、そして1987
年に神岡に届いたニュートリノはその象徴であるように感じられます。もちろんノーベル
賞は限られた人にしか与えられませんが、物理学が与えてくれる楽しさは、限られた人の
ものではなく全ての人のものです。物理学の対象は自然そのものですから、私たちが自然
の中で存在している以上、物理は誰にとっても身近な学問です。「見えないものが見える」
「わからないことがわかる」「できないことができるようになる」こんなに楽しいことは
ありません。

 今回、私たち理学部物理学科の学生はこのような物理の楽しさをとことん追求すること
に挑戦します。半年間準備をしてきた以下のテーマは、一見すると馴染みのないものです
が、実は全て身近なものばかりです。当日はこれらのテーマを余すところなくご紹介しま
す。ぜひ、物理の楽しさを体験してください。

   1.宇宙物理:宇宙から飛んでくる粒子を"見える"ようにします。
   2.プラズマ:高層現象のオーロラを作ります。
   3.粉体:"粉"を使って雪崩などの様々な現象を再現します。
   4.パラメトリックスピーカ:空間のある領域だけに音が聞こえるようにします。
   5.レーザー:光の不思議な性質を明らかにし、光通信を試みます。
   6.経済物理:経済市場に潜む物理法則をゲームで体験してみます。


 Physics Lab. 2007 を実現するにあたっては、準備の段階から物理学教室に大変お世話
になりました。何度も研究室へ相談に行く私たちを、いつも温かく迎えてくださいました
先生方、装置の設計や製作に多大なアドバイス、ご助力をいただきました試作室・研材室
の皆様、そして企画全体にわたってご支援下さいました物理事務の皆様へ、深く御礼を申
し上げます。本当にありがとうございました。

 スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ちしております。

物理学科2007年度五月祭実行委員会 
Physics Lab. 2007 
代表 荒井 慧悟 




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